2023年9月21日（木）〜母の誕生祝い〜

この日は「メヒコ」で母の誕生祝いをした。

ここは昭和の雰囲気を色濃く残す、今や大変貴重なエンタメ系レストランだ。

店内では美しいフラミンゴの大群がお出迎えする。

シーフードレストラン・メヒコ…

フラミンゴを見ながら食事を楽しむ、そのコンセプトは創業者の感動体験に由来するという。

私見だが、このようなレストランは全国的に珍しいと思う。以前、都心から遊びに来た友人を「これが田舎の楽しみだ」と自慢し連れてきた。あきれ苦笑いすると思ったが、予想に反しワぁと驚き喜んで…子供みたいに目を丸くしキラキラ輝かせた。窓越しのフラミンゴをずっと真剣に眺めていた。その姿に…幼かった頃の自分を重ねた。初めて見た人は光景に驚き感動するようだ。

〜他人を感動させようとするなら先ず自分が感動しなければならない。そうでなければ如何に巧みな作品でも決して生命ではない（ミレー）〜

誕生祝いに選んだ理由…

ここは名物の「カニピラフ」がある。味が良いのは勿論の事、リーズナブルな価格も魅力だ。

そして最大の理由は…最高のエンタメで誕生祝いをサービス（無料＊要予約）してくれることだ。名入りの誕生ケーキ＆デザートに…フロアスタッフ総出？で歌い祝ってくれる。さらに記念写真まで残してもらえる。無論、似たサービスは他にもあるかもしれない…だがどうだろう。納得ゆく美味い飯、最高の祝福…美しいフラミンゴをバックに記念写真…感覚としては、某ランドの世界観…全世代一緒になって楽しめる家族の為のエンタメの場だ。そりゃ満足するし感動し、記憶にも残る。

そんな貴重な昭和エンタメ系レストラン「メヒコ」。地域の人に愛されて、創業から半世紀もの歴史をもつという。

http://mehico.com/profile/index.html

さて本題に…

今日はお祝いという事で、めでたく高いコース料理を選びたいところだが…高齢の母は食が細い。一人だけ少量というのも、ちと寂しい…なので今回、皆仲良く同じ「ランチピラフセット」を選択した。

ピラフはもちろん名物のカニを選んだ。剥き身もあるが、昔ながらの殻付きを選んだ。

ランチセットもコース形式で…サラダ→スープ→メイン（ピラフ）の順に料理が運ばれる。ドリンクや誕生日サービスは自身でタイミングを選べる。

脱線…ちょっと思い出話。。。

殻付きのカニピラフには沢山の思い出がある、スープにも思い出がある。

はじめて来たころは幼くて、カニと海藻のスープを一口飲み「海で溺れた味がする」と思った。以来、会話で海で溺れた味のスープと言うも、他の人にはあまり伝らなかった。溺れた味を知る人が、そうは世にいないと知った。カニピラフは、「おまたせしました」と目の前に登場するも、「いただきます」の挨拶から実食までに時間が掛かった。待つ間キャッキャはしゃいで会話してたのに、みなカニの殻剥きに全集中で（無言で）、誰が一番早く食べられるかの競争だった。あの頃、殻剥きに約３０分は掛かったと思う。ホカホカだったピラフはとうに冷め、渾身のカニ剥き身と共に頬張る冷たいピラフ…それでも当時は最上級の、最高のご馳走の味だった。そんな殻剥きの手間から解放してくれたのが「剥き身」で…記憶定かではないが登場は10年前くらいか？カニ身の量は目減りするが、ホカホカのまま剥き身と合わせ食べられるのは、「待ってました！」と称賛の声が多々あったに違いない。私自身も暫くの間、剥き身に浮気した。

はてさて、また本題に…

今回のカニピラフは「殻付き」。

理由は以前、母と一緒に訪れた際、母が迷いなく選んだので、同じく釣られ選択し、その美味さと魅力を再認識したのと…幼い頃の「冷めたピラフ」の記憶が、「キッチンバサミ」で解決したから。かつてカニフォークで約30分もの時間を掛けてホジホジしてたのに…この素晴らしい道具の提供は、一体いつから始まったのだろう。。。

キッチンバサミをつかうと殻剥きが楽だ。コツをつかむと、スポっと抜けるカニ身もあり、10分もあれば剥き終える。ピラフは多少冷めるが、まだほんのり暖かい。何より殻から剥いたカニ身は形を綺麗に残し…剥きたての弾力・食感と、カニ本来の濃厚な旨味を楽しめる。かつて30分も掛けていたので10分は刹那だ。手間だった殻剥きは、食べるその瞬間を盛り上げるエンタメに進化した。

口いっぱいに広がるカニ風味…その濃厚な旨味をバター風味がよりいっそう盛り上げる。さらに手剥きした大量のカニ身の…そのフレッシュな旨味、その食感、自身で仕上げた達成感…

うん、美味い！メヒコのカニピラフは殻付きが一番だ！再認識させてくれた母、ありがとう、そして…お誕生日おめでとう。

最後に…

また来年…再来年と祝いたい、思い出をたくさん残してゆきたい。

祝福してくれたメヒコのみなさま、ありがとう。

たくさんの思い出をありがとう。

そして感動をこれからも。

〜商売とは感動を与える事である（松下幸之助）〜